飛島建設株式会社 - 全従業員に配付するiPhoneの管理問題をJamf Proに切り替えてスマートに解決

飛島建設株式会社は、2016年から全従業員に社用携帯電話としてスマートフォンを支給しています。現在は約1650台のiPhoneを導入し、その端末管理を行うためのMDMとしてJamf Proを採用。従来のMDMからJamf Proに切り替えたことでSelf Serviceを使った効率的なアプリ配付等を実現し、デバイス管理の利便性をさらに高めることに成功しました。

Jamf ProによるiPhoneの管理
Self Serviceの活用とメリット
利便性の高いJamf Proの機能

iPhone導入による業務改善と MDMをJamf Proに変えた理由

DXと働き方改革を積極的に推進

飛島建設株式会社(以下、飛島建設)は、1883年(明治16年)に福井県で飛嶋文次郎が土木請負業の「飛島組」を創設して以来、今年で139年目を迎える歴史ある企業です。明治末から大正にかけては「水力の飛島」「土木の雄」として全国の水力発電工事を手掛け、昭和30年代の高度成長期には新幹線、高速道路、地下鉄工事などにも力を発揮。そして現在は、これまでの建設事業で培った防災・減災技術を活かして「防災のトビシマ」をキャッチフレーズに、住環境や不動産、耐震、医療・福祉、環境にまつわるソリューション事業を多角的に展開しています。

また、近年は生産性と利便性向上につながる建設現場のDXを実現するために、防災や環境、再生可能エネルギー、IoTなどの分野においてデジタルテクノロジーの積極的な活用を図るほか、働き方改革支援システム「e-Stand」や多機能ハンズフリーシステム「e-Sense」等の開発を行うなど「働き方改革」にも注力。さらに、そうした戦略やビジョンを実現するうえで、自らがお手本になるかのようにテレワークやフレックスタイムを導入したり、社内のデジタル化を積極的に推進したりすることで、社内の働き方改革も推進しています。

飛島建設株式会社 管理本部 総務部 担当部長 赤尾正晃 氏

飛島建設ではDXを軸とした「企業のサステナビリティの実現」、創業精神である「利他利己」の実践を通した「社会のサステナビリティへの貢献」、そしてその両立を目指すSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)経営を推進しています。

https://www.tobishima.co.jp

飛島建設のSX経営と、203X年「トビシマDX」の未来像を映像化したプロモーションビデオがYouTubeで公開されています。

固定電話から1人1台のスマホ支給へ

その一環として、飛島建設がスマートフォンを社用電話として初めて導入したのは2016年のこと。それまでは1人1台の固定電話を用い、スマートフォンは役職者や上長が許可した従業員にしか配付していませんでしたが、すべての従業員が等しく使えるように携帯電話に一本化。"1人1台のスマホ環境 "を整えたことで、従業員の働き方や生産性を大きく変えることに成功しました。

たとえば、従来は電話をかけるときにPCの画面でグループウェアの「Notes」を開いて電話番号を調べなければなりませんでしたが、スマートフォンであれば手元で電話番号を調べていつでもどこでも電話をすぐにかけられます。また、企業全体で名刺情報を「Sansan」で一元管理し、「Microsoft 365」の「Outlook」や「Microsoft Teams」を使っていつでもどこでもメールやチャットが行える環境を整えることで、従業員同士や取引先、お客様とのコミュニケーションを活性化させています。

さらに、非常事態が発生した際に従業員の安全性を確保する安否確認もスマートフォン専用のアプリを導入することで改善したほか、2022年11月からは「LINE WORKS」を導入。建設現場の職人たちがコミュニケーションツールとして利用することの多い「LINE」と連携するLINE WORKSを使うことで、伝達情報をテキストデータとして残す、掲示板を活用する、簡単な工程管理を共有するなど、建設現場でのコミュニケーションや生産性の向上、作業時間の短縮につなげています。

飛島建設では内勤の従業員だけでなく、現場の職人にもiPhoneを支給。撮影した写真を作業所に戻ることなく、その場でデジタルデータとして整理して提出するなど、現場の業務効率の向上に役立てています。

Jamf Proだから実現できた 管理・運用上の大きなメリット

アカウント作成の問題を解消

飛島建設では社用スマートフォンとして当初はAndroid端末を採用していましたが、2019年4月からはiPhone 8に移行。そして、2022年5月からはiPhone 12を導入し、MDMソリューション(以下、MDM)であるJamf Proを用いて約1,650台にもおよぶデバイスの管理を行っています。

Android端末からiPhoneに乗り換えた理由としては、「電話がかけられない」「電話が途切れてしまう」など不安定だったこと、また端末を管理するうえで従業員のアカウント作成に課題を抱えていたからです。

「ハードウェアとソフトウェアを一緒に提供しているAppleのiPhoneであれば、安定して利用できるのではないかと思いました。また、Android端末をキッティングするためには従業員1人1人にGoogleアカウントを作成してもらう必要がありますが、対応してくれない従業員がどうしても一定数出てきます。その点、Appleが提供する管理者用ツール『Apple Business Manager』(以下、ABM)とJamfのSelf Service機能を使えば、従業員一人一人にお願いする作業がなく、アプリ配付が可能になります」

飛島建設ではMicrosoft 365やSansan、LINE WORKSなどの業務に必須のアプリはキッティング時に端末へプリインストールし、新しいアプリを導入する際はABMから購入してMDM経由で配付しています。また、Jamf Proの「Self Service」の機能を使って飛島建設専用のアプリカタログを作成し、iPhoneからそこへアクセスすることで許可されたアプリを従業員が自由にインストールできるようにしています。自社専用のアプリカタログを作成することで、従業員が欲しいアプリがあったときにIT管理者に問い合わせる必要性を減らし、従業員が好きなタイミングで好きなアプリをインストールできる環境を整えているのです。

業務に必要なアプリはApple Business ManagerでVPPを使って購入し、Jamf Proを用いて配付しています。

Jamf Proの「Self Service」が大活躍

アプリカタログ機能を搭載したMDMソリューションはほかにも存在しますが、Jamf ProのSelf Serviceは使い勝手に優れていることが特長だと言います。実際、飛島建設で以前利用していた別のMDMからJamf Proへと乗り換えたのも、それが大きな理由のひとつでした。

「以前のMDMのアプリカタログは、登録した順番にアプリが掲載されるのみでしたので、目的のアプリを非常に見つけづらい状況でした。新しいアプリを登録しようとすると既に登録されていたり、従業員から『どこにあるのか』『見つからない』という問い合わせを受けたりすることが多々ありました。現在は約400のアプリを登録していますが、Jamf ProのSelf Serviceはアルファベット順に並び、検索もでき、カテゴリに分けることもできます。そのため、管理する側も、利用する側もアプリを探す手間を大幅に短縮できるのです」

また、以前のMDMでは、MDMのアプリがiPhone上に見えていることも問題に感じていたそうです。というのも、従業員が自らインストールしたアプリではないため削除してしまうことがあり、その度にiPhoneがMDMの管理下から外れるので再キッティングの必要性が生じるからです。

飛島建設ではキッティングを行う際、ABMを活用することで、従業員の手元に届く前に触れ、事前設定をせずに端末をMDMに自動登録できる「ゼロタッチ導入」を活用しています。これであれば、端末の電源を入れてネットワークに接続した瞬間、MDMであらかじめ設定した構成プロファイルやアプリが一斉に適用されるため、キッティングの手間が大幅に削減できます。

しかし、たとえばiPhoneの名前などMDMの構成プロファイルでは設定できない内容や、端末へのシール貼りなどは手動で行っているため、再キッティングはできる限り避けたいところ。本来、従業員が業務を行ううえでMDMの存在を知らせる必要はありません。

「Jamf Proであれば、MDMで管理されていることを従業員が目にすることはありません。従業員にアプリとして見えるのはSelf Serviceで作成したアプリカタログのアイコンだけですし、自分が使うものなのでそれを削除する従業員はいません。こうした細かな点でも、Jamf Proを導入したメリットは大きいです」

Jamf ProのSelf Serviceを使ってアプリカタログを作成。登録したアプリがアルファベット順に並ぶため、「アプリが見つけにくい」という課題が解消されました。

使い勝手を高めるJamf Proの各種機能

Jamf Proを導入してからまだ半年ほどしか経過していないものの、当初想定していたメリットに加え、実際に管理・運用する中で気づいた利点も多々あるといいます。その中でも、飛島建設が大きく評価しているのが、"Jamf Proの操作性の良さ"と"インベントリ情報の収集のしやすさ"です。

「Jamf Proは実に多機能なMDMですが、実にシンプルなインターフェイスなので直感的に操作できます。Apple専用のMDMとあって、このあたりの分かりやすさはApple製品に通ずるものがありますね」

また、デバイス情報やポリシーの適用状況などを一元的に監視できるダッシュボードを使うことでIT管理者が頻繁に確認する必要のある項目を簡単にチェックできる点や、デバイスのインベントリ情報を1日1回収集し、かつ任意のタイミングでIT管理者が手動で更新できる点も優れていると言います。

「たとえば、特定のアプリを利用していない人の端末にアプリを強制インストールしたいとき、Jamf Proであれば端末のインベトリ情報を見ればすぐに誰が(どのデバイスが)インストールしているか/していないかを確認できます。従来のMDMでは、管理画面に表示されるインベントリ情報が最新のものであるとは限りませんでした。そのため、一度デバイスのインベントリ情報を再取得する作業を行い、情報を最新状態に更新して目的のアプリが入っているかを判断せねばならず、時間がかかりました」

Jamf Proと異なり、MDMによってはデバイスのインベントリ情報を自動で収集する頻度が1週間に1回であったり、タイミングが不明なものがあります。そうしたMDMと比較して、Jamf Proの場合は常に最新のデバイスの状態を確認できるため、アプリの配付状況のみならず、最新のOSがインストールされているか、端末が盗難や紛失していないかなどを確認するのにも役立ち、セキュリティを担保することにもつながっています。

さらに、プロファイルやアプリなどのコンテンツを端末に配付する際に、ネットワークの遅延や障害などによってうまく端末に適用できない場合がありますが、そうしたときでもJamf Proなら送信状況や履歴を確認することができ、どの端末に正しく配付されているかを管理できるのが便利だと語ります。また、万が一端末がオフラインでコンテンツが配付されていない場合も、Jamf Proは一定時間で諦めることなく送信し続けたり、サーバ負荷を下げるために一部の端末だけ適用してあとから別のタイミングで送信したり、配付をキャンセルし、改めて一から配付したりすることができます。

「MDMによっては配付状況が可視化されないのでどこまで配付が完了したのか分からなかったり、メーカーに問い合わせないと配付をキャンセルできないものがあったりします。Jamf Proであれば、こうしたときに素早くIT管理者が対応できるので、配付したアプリが長時間使えないなどの従業員のストレスを減らすことができます」

そのほかにも、サーバの設定情報等を含んだ形でアプリを配付できたり、位置情報の地図が見やすいため端末の紛失場所を特定しやすくなったりなど、Jamf Proにはさまざまなメリットがあり、コストパフォーマンスはMDMの中でも非常に優れていると言います。

Jamf Proはわかりやすいインターフェイスが特長。ダッシュボードに管理者が頻繁に確認したい項目を登録しておくことで、素早くインベントリ情報にアクセスできます。

イノベーションを起こすための 従業員本位のiPhone導入と管理

安心して使える環境を作るために

飛島建設ではこのようにMDMをJamf Proへと切り替えたことでiPhoneの管理・運用を強化することに成功しましたが、特筆すべきなのはMDM導入の目的は管理・運用を効率化することであって、従業員を縛るためではないということです。

「デバイス管理において、守るべきものは何もないと思っています。情報が漏洩して困るような大切なデータはすべてクラウドに保存していますし、たとえ端末が紛失しても、リモートロックやリモートワイプができます。それに、これだけ多くの台数を導入し、かつ建設現場で使っていれば、落としたり、壊したりすることは当然のことのように起こりえます」

飛島建設では当初、端末が故障・紛失したときには従業員に始末書を書いてもらい、端末の交換を行っていました。しかし、この方法では従業員の手元に交換機が届くまでに時間がかかり、業務に支障が出ることから変更。また、当初は端末を買取していましたが、現在はすべての端末に保険をかけレンタルで調達するなど、その時々の状況に応じて柔軟に導入・管理手法をアップデートしています。

「落とし放題ということではないですが、従業員が安心して使えるよう『落としても大丈夫』という環境を構築することが大事だと思っています。また、当社ではiPhoneに厳しい制限をかけていません。せっかくiPhoneという素晴らしいデバイスを導入しているのですから、従業員にはその機能を思う存分使ってほしいです」

飛島建設のホームページには「『飛島建設』から『飛島(トビシマへ)』への企業変革を推進し、"New Business Contractor"へ進化」という経営ビジョンが掲げられています。これまで培った建設事業という基盤事業のプレゼンスを維持し、かつ新たな事業を提供しながら、次世代ビジネスプロセスの転換を図るDXを推進していく。そのために必要となるのはトビシマのDNAであるイノベーションマインドであり、それを1人1人の従業員が発揮できるようにすることを第一にiPhoneは導入され、Jamf Proによって適切に管理されているのです。

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