コンプライアンス管理の悩みどころ
コンプライアンス管理を成功させるための鍵は、様々なレベルの異なる懸念事項に同時に対処しながら、それをストレスに感じない体制を構築することです。これは一見、不毛な努力に思えるかもしれませんが、各要素をより効率的に管理することで実現に一歩近づくことが可能です。
その方法について見ていく前に、まずはコンプライアンスに影響を及ぼす可能性のある最新の要素や状況について見ていきましょう。
最新の脅威ランドスケープ
サイバーセキュリティとコンプライアンスの最適なバランスを実現するためには、複数の不確定要素に対処しなければなりません。そしてそこには、セキュリティの弱体化に大きく貢献し、ひいてはエンドポイントのコンプライアンスに悪影響を与えかねない様々なリスクがあります。
Cybercrime Magazineによって「もっとも急成長しているサイバー犯罪」と呼ばれているランサムウェアを例にとって見てみましょう。現在の推定では、ランサムウェア攻撃の被害額の中央値は1000万ドルとされており、2021年時点でランサムウェアの世界的な被害総額は200億ドルに達していると言われています。さらに、KnowBe4のセキュリティ専門家によると、この数字は2031年までに2650億ドルに膨れ上がると予想されています。
このような最悪な事態が予想される原因には、以下のすべての要素が関係しています。
- 攻撃の74%を人的要素が占めているという事実
- 法執行機関が世界レベルで犯罪を訴追することの難しさ
- ビジネスへの影響を抑えるために身代金を支払ってしまう被害者側の意識
ランサムウェアの脅威は組織に影響を及ぼすリスクの一部に過ぎないとはいえ、金銭的利益を得るための恰好の手段であることがその成長に明確に表れており、リスク要素を金儲けに利用する悪質な攻撃者が増えています。しかし、この脅威に直接起因する経済的被害は全体のほんの一部に過ぎず、攻撃への対処や機密データ(生徒の個人情報や患者の医療記録など)が流出した際の後始末にかかる費用などの間接的なコストによって、全体的な経済的被害が大幅に増大しているという現状があります。
もちろん、データが流出したことによる企業の評判の損失も忘れてはなりません。こういった複数の要素が重なり合ったことにより、上場企業の株式価値は平均で7.5%減少したと言われており、さらに時価総額ベースの損失の中央値は5.4億ドルにものぼります。データ漏洩が1回起こるごとにその影響がサプライチェーン全体に波及することは珍しいことではなく、これにより平均して46日の遅延を引き起こすことがわかっており、組織は時価総額の損失や追加で発生する運営コストにより数十億ドルもの被害を被ることになります。しかも、その後に時価総額がデータ漏洩以前のレベルに戻るという保証はありません。
コンプライアンス管理のその他の課題には次のようなものがあります。
- コンプライアンス要件を効果的に管理・維持するためのリソースやマンパワーの不足
- 技術スタックの複雑化
- コンプライアンスリーダーとステークホルダー間のコミュニケーション不足
- コンプライアンス達成のためにより多くのコストがかかるのに予算が確保できない
- 手作業で時間のかかるプロセスがリソースとマンパワーをさらに圧迫
- セキュリティとコンプライアンスの現状がフルに可視化されていない
- スクリーンショットやステークホルダーの行動に依存した、非効率的な証拠収集プロセス
今日のコンプライアンス管理における課題の多くはリスクのエコシステムの中でお互いにつながっており、そこにはサイバーセキュリティの脅威、シャドーITなどに代表されるユーザに起因する問題、デバイスやリソースの管理、ワークフォースの分散化、クラウドベースのソフトウェア、規制の見過ごし、エンドポイント健全性の常時監視と可視化などが含まれます。
調査によって浮き彫りになった問題
anecdotes社が毎年公開している「The State of Security Compliance」(セキュリティコンプライアンスの現状)レポートでは、さまざまな成熟度や成長段階にあるIT企業のコンプライアンスリーダーから収集した統計データや洞察を幅広く調査した結果、「コンプライアンスリーダーの88%が、セキュリティコンプライアンスに関連するプログラムを導入および成長させる上で克服しなければならない大きな障害を抱えている」ことが判明しました。
この調査では、さらに次のような課題が浮き彫りになっています。
- コンプライアンス管理チームの50%が、監査プロセスの遅れの原因として「自動化の欠如」を挙げた
- コンプライアンスリーダーの47%が、最大の悩みとして「マンパワーの不足」を挙げた
- コンプライアンスリーダーの29%が「予算不足」を主な課題として挙げた
- 回答者の25%が、コンプライアンスは面倒なものとして組織の上層部から認識されており、フレームワークの採用が技術的に必要なものとしてみなされていないと答えた
コンプライアンス管理の手間を省く最善策としての「自動化」
データを活用した自動化は、テクノロジーの力で複雑さを最小限に抑え、コンプライアンス関連の作業やプロセスを簡素化してくれます。自動化された機能を使用することで、手作業や反復的なタスクをなくす、または合理化し、ヒューマンエラーの起こりやすいプロセスを最小限にとどめることができます。このようにしてデータ主導のエコシステム内でコンプライアンスが統一されれば、セキュリティ態勢を強化しながら、労力のかかるタスクにテクノロジーやツールを活用することが可能になります。
セキュリティ態勢を可視化し足りない部分を教えてくれるデータや自動化という武器があれば、もうコンプライアンスに頭を悩ませる必要はありません。組織のさまざまなステークホルダーに対して、コンプライアンスのことを口うるさく言ったり、しつこく確認したり、理解を求めたりする日々に別れを告げることができるのです。
コンプライアンス管理の自動化には、その他にもさまざまなメリットがあります。
- 面倒で時間のかかる手作業による証拠収集プロセスを合理化し、時間を節約
- リソースやマンパワーを効率的に活用し、生産性を最大化
- 深い可視性から得られたインサイトを堅牢なコラボレーションツールを通して共有
- 世界トップレベルの監査団体によって認められた信頼性の高いデータをこれまで以上に簡単に収集
コンプライアンス管理システムを簡素化するanecdotes
ここまでエンタープライズにおけるコンプライアンス管理の課題について見てきましたが、そのストレスを軽減してくれるのがanecdotesが提供しているツール「Compliance OS」です。
Compliance OSは、単なるPDF資料やテンプレート、または調査結果を提供するものではなく、「組織のコンプライアンスをレベルアップさせるデータ主導の自動化」を実現します。すべてのコンプライアンスプロジェクトの基盤には、高い信頼性と可視性を持つ実用的なデータがあるべきであるとanecdotesは考えています。
コンプライアンス目標の達成にanecdotesを役立てる方法
anecdotesのCompliance OSを採用することで、組織内の横のつながりを強化することができるため、リソースや時間の節約になるだけでなく、コラボレーションやコミュニケーションの促進にもつながります。
悩みの種であったデータを、逆に味方につけることができるのです。
最終的な目標は、組織のコンプライアンスプログラムを成功に導く多くのデータポイントを、フルに管理・可視化することです。anecdotesは、次のような形で継続的なコンプライアンス管理を支援します。
- 既存の技術スタックと連動し、複数のプラットフォームやステークホルダーにまたがって簡潔かつ自動的に証拠を収集
- 高度なクロスマッピング機能を活用したコンプライアンスフレームワークを義務化してより堅牢なコンプライアンス管理を実現し、仕事を増やすことなくプログラムの成長を支援
- 機能が豊富に用意されたツールセットを活用してさまざまなステークホルダーとのコラボレーションを行う一方で、コミュニケーションを一元化することで些細なコンプライアンスの漏れをも見逃さない体制を構築
- 簡単で直感的なデータセットだけでなく、エコシステムによって検証された構造データをコンテキスト化し、現在および将来のコンプライアンス要件のベースとして使用
anecdotes + Jamf
anecdotesとJamfという2つの優れたコンプライアンスおよびモバイルデバイス管理(MDM)ソリューションを組み合わせることにより、自動化とデバイスセキュリティを通じてセキュリティを最適化することができます。デバイスとデータの安全性を保証し、リスクを軽減し、侵害の可能性を最小限に抑えるセキュリティチームと、コンプライアンスがあらゆる段階で確保されていることを確認するコンプライアンスチームが協力することで、企業の評価に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクを大幅に軽減することが可能になります。
anecdotesのCompliance OSとJamf Proを統合させると、コンプライアンスステータスを証明するために不可欠な証拠としてのデータを、前者が後者から自動的かつ安全に収集してくれます。そして、収集したデータをCompliance OS内の関連するコントロールにマッピングします。このようなデータ主導のコンプライアンス管理は、ライブデータ、高度な自動化、その他のアプリケーションの安全な統合を可能にし、組織のコンプライアンスステータスを包括的に可視化することができます。
コンプライアンスに対する深い可視性を備えたCompliance OSが、手作業で時間のかかるサイロ化されたタスクを自動化された継続的かつ戦略的なプロセスに変換する一方で、JamfはmacOSおよびiOSベースの包括的な管理システムを提供します。
「anecdotes + Jamf」を一言で説明するなら、高度で自動化されたエコシステムを通じて1台1台のデバイスに管理されたセキュリティコンプライアンスを届け、組織の既存のコンプライアンスプログラムを「今ある姿」から「あるべき姿」へと変えてくれるということになります。
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