ITセキュリティ専門家のためのガイド:セキュリティフレームワークを理解する

このブログでは、セキュリティフレームワークとは何か、その重要性、そして組織でデバイスのセキュアな運用を行う上でセキュリティフレームワークが果たす重要な役割について解説します。具体的には、リスク管理を確立することの大切さやコンプライアンスのベストプラクティスに加え、組織のニーズにあったセキュリティフレームワークを基盤に、デバイス管理とアイデンティティ管理、そしてエンドポイントのセキュリティをJamfのセキュリティソリューションで一体化させる方法について詳しく見ていきます。

September 18 2023 投稿者

Jesus Vigo

Frameworks surrounding a building being constructed

現代の脅威ランドスケープは、5年前、10年前、20年前のそれとはまったく違います。そしてサイバーセキュリティは、それが保護しようとするテクノロジーと同様、日進月歩です。組織特有のニーズやコンプライアンス要件への対応に加え、ITチームとセキュリティチームは、インフラストラクチャに対するリスクを軽減しながら、データセキュリティとプライバシーのバランスを維持するために苦労しています。

そんな時に役立つのが、以下の形でセキュリティ態勢を強化してくれるセキュリティフレームワークです。

  • プロセスの効率化
  • リスクの最小化
  • コンプライアンスの達成
  • ポリシーによるベストプラクティスの適用

セキュリティフレームワークとは

Jamfが考えるセキュリティフレームワークとは「セキュリティ制御を確立し維持するためのポリシーとプロセスを定義するもの」です。

簡単に言えば、組織におけるセキュリティ計画の作成と管理を助ける詳細なガイドのようなものです。仕様どおりに家を建てるために建築業者が使う設計図のようなものです。

今日のデジタル環境におけるセキュリティフレームワークの重要性

前述したように、セキュリティを取り巻く環境は常に変化しており、組織内のデバイスやユーザ、データなどを保護し続けるためのニーズ、ツール、戦略、方法、および手順を、このような変化に適応させる必要があります。それを怠れば、データ漏洩やそれに起因する深刻な問題といったリスクに晒されることになります。

組織におけるセキュリティフレームワークの役割は、一言で言えば、どのポリシーやプロセス、制御を適用すべきか(そしてそれらをどのように構成するか)を判断し、無数のリスク要因から組織を保護するための体系的なアプローチを提供することです。これにより、組織全体を最大限に保護することができます。

また、セキュリティフレームワークはいくつかのカテゴリーに分類することができ、各カテゴリーの中には組織のニーズに合った異なるレベルのフレームワークが存在します。さらに、フレームワークの中には脅威に対してより一般的な保護を提供するものだけでなく、特定の業界のニーズに対応するために特別に設計されたものもあります(例:ヘルスケア業界のHIPAAや金融業界のFINRAなど)。

セキュリティフレームワークが重要なわけ

セキュリティフレームワークは、セキュリティ制御やポリシー、プロセスの適用をより簡単にすることで、サイバー脅威に対応するために重要な役割を果たします。これにより、以下に代表されるよくある疑問が解消され、憶測で物事を進める必要がなくなります。

  • どのツールを使うべきか
  • なぜこのようなツールを使う必要があるのか
  • どのような構成を行うべきか
  • コンプライアンスを達成するために、これらのツールをどのように活用すべきか

サイバーセキュリティは、多くの組織にとって困難な課題となっています。セキュリティは一度で完了するものではなく、継続的に行うものであり、エンドポイントを保護しながらコンプライアンスに準拠し続けるのは決して簡単なことではありません。しかし、フレームワークがあれば、エンドポイントのライフサイクル全体を通じてITおよびセキュリティチームが活用できるある種のシステムを確立し、どの部分にフォーカスを置くかを決めることができるため、組織への負担を大幅に軽減することができます。

例えば、クライアントに投資サービスを提供している金融機関を例にとって考えてみましょう。金融業界は最も規制の厳しい業界であるため、金融センターとして認定された企業がセキュリティフレームワークに準拠することの重要性は強調してもしきれません。通信プラットフォームで使用される暗号強度、制限を課すべきデバイス、どのプラットフォームを誰が使用するかなどを含む通信に関するガバナンスは、金融業界における規制を遵守するための小さいながらも重要な要件のひとつです。

上記の例では、従業員が個人モバイルデバイスを利用し、保護されていないアプリを介して機密の金融取引データを送信した場合、この会社の業務プロセスに対して調査が入ることが考えられ、場合によっては、数百万ドルという多額の罰金が科される可能性もあります。FUD(「恐怖、不安、疑念」)を煽るつもりはありませんが、上記の「架空のシナリオ」は、実際に昨年9月に業界全体を対象にして行われた調査の結果であり、セキュリティ関連の連邦法を遵守していなかったとしてフィンテック企業16社に11億ドルの罰金が科されています。この出来事は、組織がエンドポイントセキュリティやプライバシーに妥協したり生産性に影響を与えたりすることなく運営を継続する上で、適切なセキュリティフレームワークを選択しそれを遵守することがいかに重要であるかを例証する良い例と言えます。

組織に合ったセキュリティフレームワークの選択

セキュリティフレームワークの遵守に着手する前に、まずセキュリティフレームワークを選択する必要があります。何をおいてもまず先に、組織にとって適切なものを選ばなければなりません。セキュリティフレームワークを選択する際、考慮すべき重要な要素には次のようなものがあります。

  • 業務効率の向上
  • 業界特有のコンプライアンス要件
  • セキュリティリスクの軽減
  • 複数のフレームワークが必要なケース(組織の規模による)
  • システムおよびデータの機密性に関連するニーズ

セキュリティフレームワークを導入するプロセスは、決して軽く考えるべきものではありません。しかし、適切なフレームワークを選択することで得られるメリットは数多くあります。堅牢化されたセキュリティ構成から、組織のエコシステムのために設計された、デバイス管理、アイデンティティ、セキュリティが統合した包括的なソリューションまで、すべてを連携させることで、最新の脅威に対抗しながら、標準化されたプロセスやポリシー、プラクティスを通じてコンプライアンスを実現することができます。

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