2023年は荒れた一年でした。
12月に入り、皆さん、新年を迎える準備を進めていることと思います。2023年が終わろうとしている今、私たちは皆、回復力と適応力が試されこの一年を振り返っています。今年は特に厳しい経済状況の中で、いかにテクノロジーを管理するかが問われた年でした。
投資を精査
統合エンドポイント管理(UEM)を評価する。
今年は、世界中の組織に技術投資と管理戦略を厳しく見直すべきだという警鐘が鳴らされました。企業や学校は、現在、手持ちの資源を最大限に活かしながら、コストや余剰を減らす方法を慎重に検討しています。
技術リーダーが下すべき重要な決断の1つは、デバイス管理とセキュリティに特化したツールと、統合エンドポイント管理(UEM)のようなオールマイティなアプローチのどちらを選ぶかということです。厳しい経済情勢では、先行費用が最も重大な要因に思えるかも知れませんが、ITやセキュリティに精通した抜け目のないバイヤーは、成功の真の尺度は長期的な投資収益率 (ROI)にあることを理解しています。
調査検討
コストとのバランスを取りながら技術スタックの効率を向上させるために考慮すべきエリアは3つ。
1.長期的なROIに注目する。
特に不況時に、しっかりとしたコスト意識を持つことは当然ですが、短期的な初期費用だけに囚われるのは誤りかもしれません。
すべての費用を考慮する。
ITチームやセキュリティチームの長期的ROI、エンドユーザへの影響、全体的なセキュリティポスチャ、そしてもちろん収益と、これらの初期費用を比較検討することが重要です。生産性の向上で実績のあるツールを探し、それがコスト削減にどうつながるかを思慮に入れましょう。
専門的なソリューションは、一見初期費用が高いように見えるかもしれません。しかし長い目で見れば決して高くはないのです。多くのお客様から、Apple製品のプラットフォームに特化した管理・セキュリティツールであるJamfを導入したことで、ROIが向上したとの声をいただいています。
組織的な節約
CiscoのFletcher Previn最高情報責任者は、2023 Jamf Nation User Conferenceにて、Macを使用する営業チームの方が他社PCを使用する営業チームよりも、以下の通り業績が優れていたと話しました:
- 取引案件+9.8%
- 予約+10.9%
- 成約+9.9%
また、同社のソフトウェアエンジニアもMacを使用することで書き出すコードが約11.5%増えています。
TCO(総保有コスト)も忘れてはなりません。(Macの初期費用が高いことは、従業員デバイスを割り当てる際、組織にとっての懸念事項ですが、Ciscoの調べによれば、3年で見ると実はMacの方が148ドル~395ドル安くなり、TCO(総保有コスト)が低いことが分かっています。)
Hobson & Companyの調査は、Jamfのような専門ソリューションにより、ITチームはヘルプデスクチケット、アプリ管理、デバイスのプロビジョニングと導入、継続的な管理、インシデントや脆弱性の修復に費やす時間を70~90%削減できることを示しており、投資に対して大きな利益を上げることができます。
2.UEMは本当に費用を削減するのか?
すべてのデバイスを1つのツールで一括管理した方が費用対効果が高そうですが、実際は微妙です。
UEMの問題点
UEMは管理するプラットフォームが極めて多く、UEM製品は通常、WindowsやAndroidなど1つのプラットフォームを優先するか、すべてのプラットフォームで満遍なく最低限の対応をすることになります。
これでは、チームはUEMの穴を埋めるためにサードパーティ製ツールに頼ることになり、結局隠れたコストを生み出します。例えば:
- ソフトウェアパッチ製品を別途購入する
- 追加のインベントリレポーティングと分析ソリューションを見つける
- 特権昇格コントロールなど高度なmacOSワークフローを使いたい場合にソリューションが必要となる
- エンドユーザ体験を向上させるために、セットアップ画面のデザインに費用を支払う
これらのツールの中には、追加ライセンス費用がかかるものもあります。
UEMと専門的ソリューションの両方で使える優れたオープンソースツールもありますが、さらに運用が複雑化するでしょう。UEM製品のギャップにより、これらのツールを使用したり統合したりする余分な作業が必要になります。さらに幅広く使用される場合、実装とサポートに一段と多くの時間が必要になります。専門的ソリューションには同じことを実現するネイティブツールが組み込まれています。
専門化:より良い体験
専門ベンダーは、Appleネイティブテクノロジーを中心にフレームワークを構築しているため、AppleがMDMフレームワークを革新する際にも迅速なサポートを提供できます。
分析企業は、専門化がより優れた製品体験を提供することを認め始めており、
IDCは同社の調査報告書「IDC MarketScape:Worldwide Unified Endpoint Management Software for Apple Devices 2021 Vendor Assessment」において、JamfのApple製品に特化した点を評価し、統合エンドポイント管理ソフトウェアの分野におけるリーダーに選びました。Frost & Sullivanなどアナリストも最近、JamfのAppleに特化したアプローチをリーダーボードで評価。エンドポイントセキュリティ市場で “Appleファースト"のソリューションを開発する唯一のベンダー "として、Jamfを"Company to Action"に指定しました。
3.セキュリティ侵害の総コストを理解する。
IBMによると、セキュリティ侵害の平均コストは445万ドル。
専門的ツールはプラットフォーム固有の脆弱性に対処する目的で設計されるため、統一的なアプローチによるコスト削減を上回る効果が期待できます。
Apple製品を使うなら、この専門知識とフォーカスは極めて重要です。年々、macOSやiOSに対する攻撃が頻度と巧妙さを増している中で、専門性の高いアプローチは、情報漏えいのリスクとそれに伴う経済的損失を軽減します。
明らかな違い
考えてみてください:
- Forresterによる2022年調査によれば、UEMツールMicrosoft Intuneを含むMicrosoft 365 E3 サブスクリプションを利用することで、情報漏えいのリスクが低減し、ユーザ1人当たり年間18ドルの節約になります。
- Hobson & CompanyはJamfのような専門的なツールによって情報漏えいのリスクが減少した結果、1ユーザあたり年間335ドル**の節約になったと報告しています。
迅速に身を守る
デバイスのコンプライアンス要件が遅滞なく適用されていることを確認するために、フレームワークスピードの有効性をテストしてください。専門的ツールは、サポートするOSをより頻繁にチェックし、攻撃の隙を与えないようにします。
そして、使用するツールの能動的監査と修復能力を必ずテストしてください。監査機能には、ユーザまたは悪意のあるアクターがコンプライアンス制御を無効化したかどうかを識別するカスタム属性を含める必要があり、修復ワークフローは、これらのカスタム属性からのレポートに基づいて自動化されます。デバイスのコンプライアンス監査が不合格になった場合でも、手動で対応する必要はありません。ツールが代わりに対応してくれます。
予期せぬコスト:ケーススタディ
BroadcomによるVMwareの買収は、コスト計算をさらに複雑化させました。Workspace ONE UEMに投資した組織は今、不安定さに伴う潜在的なコスト、サポートの課題、追加のセキュリティ対策の必要性といった不確定要素に直面しています。
Broadcomは、Workspace ONEやエンドポイントプロテクションソリューションであるCarbon Blackを含むエンドユーザ向けコンピューティング製品の売却を決定しましたが、このことは、顧客の不安感を高めました。
影響を受ける組織は、この機会に代替オプションを検討し、オペレーティングシステムに特化したベンダーを調査すべきです。
チームや組織全体のワークフローをより効率化できる統合の検討もお忘れなく。ダウンタイムの少ない移行サービスについては、是非Jamfにお問い合わせください。
まとめ
厳しい経済情勢においては、戦略的な意思決定が最も重要です。2024年に向けて、先行投資と長期的なコスト削減・効率化のバランスが取れた戦略的アプローチを構築しましょう。
- 効率、セキュリティ、全体的なROIにおける長期的な改善と目先の予算的制約のバランスを図ります。
- 専門的なツールの価値は時間の経過とともに現れ、ROIの改善に貢献します。専門的なツールは、隠れたコストを最小限に抑え、セキュリティリスクを削減、そして各プラットフォームに合わせたソリューションを提供し、より予測可能で費用対効果の高い未来への明確な道筋を示します。
- 専門性を提供する企業は、信頼できるアドバイザーとなり、投資から最大限回収するのを助けてくれます。ユーザの生産性を高め、収益の向上につながる、より効率的なエンドユーザ体験を実現するために必要なエキスパートとなります。
* 3万人のユーザベースで年間53万8,141ドル節約した場合。
** 500人のMacユーザベースで年間16万7,625ドル節約した場合。
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