新年度の前に:児童生徒が戻ってきたとき、セキュリティは万全?

新年度前の休みが終わる前に、授業用のセキュリティ体制を整える方法について解説します。

October 29 2026 投稿者

Hannah Hamilton

Young student with a soft smile in a classroom holding an iPad and looking at the camera

新年度前の休みは、学校に関する悩みから解放される時期です。陽が輝く中で自由な時間を楽しみ、家族や友人と出かけ、次年度の学校のことは頭から消え去ります。

ただし、これが当てはまるのはおそらく児童生徒だけです。少なくとも、IT管理者であればこうはいきません。

教育機関のIT管理者にしてみれば、校舎から生徒が消えたとしても、仕事がなくなることはありません。ほとんどの場合、この時期には、前年度の混乱から立ち直り、監査や交換、アップグレード、新デバイスのオンボーディングをはじめとする作業に取り掛かる必要があります。

また、新年度の成功に向けて自分(および児童生徒)の準備も行うことになります。新年度初めの授業が近づくころに仕事がほとんど片付いていれば、セキュリティと学習環境の強化に取り掛かる絶好のチャンスです。とはいえ、まずは現在位置を把握しましょう。

現状の把握:休み中に学習用デバイスに起きたこと

休み中にデバイスには何が起きるかを考えてみると、次の可能性が挙げられます。

  • 児童生徒が自宅に持ち帰る:デバイスがMDMにチェックインしていない、未知/危険なネットワークに接続している、不正なアプリがインストールされている、MDMプロファイルがワイプで消去されている
  • デバイスが休眠状態になる:実験室用デバイスや共用デバイスのアップデートが行われず、構成が標準から逸脱している

完璧とは言えませんが、どちらかの事態が起きることは想定の範疇でしょう。ある段階から別の段階へと進む場合には自然に起こり得ることです。

教育機関でのデバイスの活用法を改善したいと考えるのであれば、現在の状況を認めることから始めなければなりません。そのためには、次の情報が必要です。

  • MDM登録の状況
  • OSバージョン
  • 最後のチェックイン日時
  • インストールされているアプリ
  • シャドーITの候補

これらのデータが揃えば、システムの構築や改善が必要な領域への対応を始められます。

高みを目指す前に、まずギャップを解消

年度が新しくなれば、児童生徒、カリキュラム、ツールも新しくなります。前年度のセキュリティポリシーや構成では、新年度の要件にうまく合わない可能性があります。または、前年度に設定を妥協している場合や、新しい脅威の登場で戦略の方針転換が必要になっている場合もあります。いずれの場合でも、この時期こそ教育機関の現在および今後のニーズに合わせたセキュリティ体制を構築するチャンスです。

以下に、回復から環境の改革へと進む手順を紹介します。

1. ベースラインを回復して欠点を分析する

デバイス監査で見つかったOSアップデートのバックログやコンプライアンス違反に対処します。既知の脆弱性がデバイスに存在すると、教育機関のセキュリティが大きく損なわれます。

こうした基本事項に加えて、以下の点も検討してください。

  • 教職員/児童生徒の役に立っていない機能はないか?それらの機能は削除または無効化してよいか?
  • 提供範囲を拡大すべきツール、設定、機能はないか?
  • 昨年度のセキュリティ要件は十分だったか?
  • 教育機関、地域、政府の方針に変化はあったか?
  • 教職員からの要請が最も多かったリソース/ツールは何か?

これらの質問に対する答えから、授業体験の改善に役立つアプリ、構成、機能がわかります。

2. 学習者の自主性を高めるフィルタとガードレールを構築する

デバイス制限を活用するには、安全性、プライバシー、生産性のバランスを慎重に取る必要があります。しかし、新しい脅威に直面しながら、教職員や保護者からの意見、政策に対応し、リソースを更新する中で、このバランスを取るのは容易ではありません。制限を厳しくしすぎて、学習者が必要な創作/教育用リソースにアクセスできなくなってはいけません。反対に、制限を緩めすぎて、児童生徒が不適切なWebサイトや危険なサイトにアクセスしてしまうのも問題です。

以下のポイントに留意して、コンテンツフィルタとガードレールについて検討しましょう。

  • 制限を厳しくしすぎて児童生徒が抜け道を探したことはないか?もしあるなら、その際にどのような未承認のアプリや拡張機能が使われていたか?
  • フィルタリング設定はカリキュラム要件および教職員の授業でのデバイスの活用法に合っているか?
  • コンテンツフィルタは教職員および児童生徒のデバイスの使い方と信用度にどのような影響を与えているか?
  • 児童生徒を監視することなく基準や要件に適合できるコンテンツフィルタリングツールを導入しているか?

シャドーIT(とそれに伴う新たなリスク)は、ユーザが制限の抜け道を探したくなる状況で生まれるものです。この抜け道となる不正なリソースがないか調べることで、制限が度を越しているかどうかを確認できます。

3. セキュリティ体制を校正する

サイバー犯罪者にとって、不慣れなユーザは格好の標的です。児童生徒の中には、抜け道を探してトラブルに巻き込まれる(あるいは遊び続ける)子もいるでしょう。当然ながら、セキュリティインシデントが起きると、ユーザとそのデータが危険にさらされます。また、アカウントやデバイスが使えなくなり、学習が中断されるおそれもあります。教職員はこうした中断の対処に追われた結果、授業を延期するか、デバイスが侵害された児童生徒だけ学習を遅らせることになります。これこそが、目的ある学習の実現にあたってセキュリティが最重要視される理由です。

デバイスのセキュリティ状態のせいで、学習が損なわれてはなりません。必ず、以下の点を確認してください。

  • リスクある挙動が生じるとアラートまたは自動アクションがトリガされるように設定しているか、または問題が発生してから調査しているか?
  • 授業中にデバイスが侵害された場合、教職員がその場でデバイスを交換するか代替システムに切り替えるにはどれくらいの時間がかかるか?
  • 担当者が文書化された対応手順を身につけているか、それとも毎回即興的に対応しているか?緊急時の連絡先は周知されているか?

年度の変わり目は、現状を見直して改めるチャンスです。この機会にデバイスの設定を学習に合わせて調整できれば、児童生徒や教職員が昨年度よりも大きな成功を手にする環境を構築できるでしょう。

まず推奨される手順

  1. 全デバイスの監査を実行する:登録状態、OSコンプライアンス、最終チェックイン時刻を収集します。これらのデータが以降の手順の指針となります。
  2. 新年度のカリキュラムに照らしてフィルタリングおよびセキュリティポリシーを検査する:昨年度の設定のままで良いとは考えないでください。現在のニーズに照らしてポリシーを見直し、集中モードの設定を調整して、学年ごとの管理設定を更新しましょう。
  3. シャドーITの穴を塞ぎ調整する:デバイスで利用すべきでないアプリおよび拡張機能をブロックし、こうした抜け道の存在が示唆する現在のツールの穴を特定します。それらの穴も塞ぎましょう。
  4. 強化して適応する:最新の脅威と照らしてセキュリティ体制に改善の余地がないか検討します。授業のニーズに合わせて、テクノロジー環境やデバイス構成をアップグレードしましょう。
  5. 新年度前の準備を再現性のある年次作業にまとめる:登録、コンプライアンス、OSアップデート、フィルタリングの校正、シャドーITの監査、ポリシーについて、改善すべき点は年々増えていきます。この作業を再現性と持続可能性のあるものにする方法を検討してください。

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